科学的介護推進体制加算は、利用者の心身の状況等をLIFEへ提出し、提出情報などを活用してサービスの質を高める取組を評価する加算です。単位数と区分はサービス種別で異なるため、事業所のサービスに対応する告示・留意事項通知で確認します。
この記事の結論
- LIFEへの情報提出だけでなく、提出情報をケアに活用することが要件
- 通所・居住・多機能サービス等は原則1月40単位の科学的介護推進体制加算
- 施設サービスは加算(Ⅰ)40単位、(Ⅱ)60単位が基本で、特養等の(Ⅱ)は50単位
- 提出頻度は算定開始月・利用開始月・少なくとも3月ごと・終了月が基本
- 単位数や対象項目はサービス別の現行告示とLIFE通知で最終確認する
科学的介護推進体制加算とは
科学的介護推進体制加算は、利用者ごとのADL、栄養状態、口腔機能、認知症の状況などの基本情報をLIFEへ提出し、サービス提供に必要な情報を活用する体制を評価します。LIFEへ送信すること自体が目的ではなく、フィードバックを踏まえて計画やケアを見直すことまでが制度の考え方です。
| 確認項目 | ポイント |
|---|---|
| 目的 | データに基づく評価とケアの質の向上 |
| 提出先 | 2026年5月11日以降は原則として国保中央会運用LIFE |
| 対象情報 | 基本情報、総論、口腔・栄養、認知症など。区分により診断名・服薬情報を追加 |
| 算定単位 | サービス種別・加算区分の告示で確認(月単位の加算) |
単位数と対象サービス
令和6年度介護報酬改定後の代表的な単位数は次のとおりです。サービス種別によって加算名称、区分、届出先が異なるため、表は全サービスの請求額を確定するものではありません。
| 主なサービス区分 | 加算の区分 | 単位数の目安 |
|---|---|---|
| 通所・居住・多機能サービス等 | 科学的介護推進体制加算 | 1月につき40単位 |
| 介護老人福祉施設等の施設サービス | 加算(Ⅰ) | 1月につき40単位 |
| 施設サービス | 加算(Ⅱ) | 1月につき60単位 |
| 介護老人福祉施設・地域密着型特養等 | 加算(Ⅱ) | 1月につき50単位 |

単位数をサービス横断で転記しない
介護報酬の告示には、居宅・地域密着型・施設・介護予防などのサービス別に規定があります。請求前に指定権者が案内する現行の算定基準と体制届出の様式を確認してください。
主な算定要件
対象サービスと区分を確認
自事業所のサービスに加算が設定されているか、(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらを算定するかを確認します。
LIFE利用と体制届出を整える
LIFEの利用環境、職員の権限、介護ソフトの対応、都道府県等への体制届出を準備します。
利用者全員の情報を評価
対象となる利用者等について、所定様式の必須項目を評価・記録します。
期限内に提出し、結果を活用
提出頻度と翌月10日までの期限を守り、フィードバックで施設サービス計画等を見直します。
LIFEへの提出頻度と期限
| 提出するタイミング | 提出の考え方 |
|---|---|
| 算定開始月に利用中の利用者 | 加算の算定を開始しようとする月 |
| 開始月の翌月以降に利用開始した人 | サービスの利用開始月 |
| 定期評価 | 開始月または利用開始月以外に、少なくとも3月ごと |
| 利用終了 | サービスの利用を終了する月 |
| 提出期限 | 各提出月の翌月10日まで |
月末近くに利用を開始し、情報を集める時間が十分にないなどやむを得ない場合は、利用開始月の翌々月10日までの提出が認められることがあります。ただし、その利用者について利用開始月のサービス提供分は算定できません。例外を一般ルールとして扱わず、通知の条件を確認してください。
カレンダーは「提出月」基準で作る
提出月、翌月10日の締切、評価担当、LIFE送信完了日を利用者別の管理表に記録すると、提出漏れを発見しやすくなります。
利用者全員が対象になる理由
科学的介護推進体制加算の提出情報は、事業所・施設単位の傾向や利用者ごとの状態を分析するために使われます。そのため、特定の利用者だけを選んで提出するのではなく、原則として対象サービスを利用する全員について評価・提出します。対象外となるケースややむを得ない事情は、サービス別の留意事項通知と指定権者の案内で確認してください。

一部の利用者だけで算定しない
「入力できた人だけ提出する」「新規利用者は次回でよい」といった独自運用は、提出要件とずれる可能性があります。利用者一覧と評価月を照合し、未提出理由がある場合は責任者と指定権者に確認してください。
提出情報と加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の違い
施設サービスの科学的介護推進体制加算では、(Ⅰ)に加えて(Ⅱ)が設定されています。両区分とも基本情報等の提出と情報活用が必要ですが、(Ⅱ)は「総論」の診断名・服薬情報の提出が追加されます。特養等の単位数は(Ⅱ)が50単位となる点にも注意が必要です。
| 区分 | 提出情報の考え方 | 施設サービスの単位数 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 基本情報、総論、口腔・栄養、認知症の必須項目等 | 40単位/月 |
| (Ⅱ) | (Ⅰ)に加え、総論の診断名・服薬情報 | 60単位/月(特養等は50単位/月) |
記入者名や自由記載など、フィードバックに用いない項目は提出を求めない扱いがあります。必須項目や様式は改定で変わる可能性があるため、古いExcelや介護ソフトの画面だけで判断せず、厚生労働省が公開する最新のLIFE通知・様式を確認します。
実務での運用手順
対象者と提出月を一覧化
利用開始月、3月ごとの評価月、終了月を利用者別に管理します。
評価・計画を更新
所定様式の項目を評価し、必要に応じて施設サービス計画などを見直します。
LIFEへ送信・完了確認
翌月10日までに提出し、エラー・未送信・対象者漏れがないか確認します。
フィードバックをケア会議で活用
確認日、検討内容、計画変更、次回評価日を記録します。
未提出・期限超過の注意点
厚生労働省のLIFE通知では、提出すべき月の情報を提出できない事実が生じた場合、直ちに所定の届出を提出する扱いが示されています。提出できなかった月から、提出が行われた月の前月までのサービス提供分について、対象利用者全員の加算を算定できないことがあります。請求後に気付いた場合は、過誤請求の要否も含め、指定権者へ速やかに相談します。
提出完了画面、エラー内容、修正日時、問い合わせ記録を保存しておくと、期限内に提出したことや障害対応の経緯を説明できます。介護ソフトを使う場合も、ソフト側の送信完了だけでなくLIFE側の受付状況を確認します。
フィードバックをどう活用するか
LIFEから受け取ったフィードバックを、利用者の状態把握、ケア会議、計画の見直し、職員研修に使います。活用内容はサービス計画や会議録に残し、評価・ケア・再評価のつながりを担当者間で共有します。数値を改善することだけを目的にせず、利用者の生活上の目標や本人の意向と合わせて解釈してください。具体的な読み方は「LIFEフィードバックの見方と活用方法」、計画への落とし込みは「科学的介護推進体制加算のケアプラン記載例」で確認できます。
活用の記録に残す項目
2026年のLIFE移行に伴う確認
2026年5月11日からLIFEは国保中央会運用へ移管されました。既存利用事業所は、電子証明書の準備、厚労省運用LIFEからの移行、国保中央会運用LIFEでの利用者情報再登録を行います。厚生労働省は、移行作業を2026年7月31日までに完了しない場合、8月1日以降に厚労省運用LIFEへ提出できず、7月分以降のLIFE関連加算の要件を満たせなくなると案内しています。提出画面の操作と完了判定は「LIFEデータ提出の流れ」、入力項目の整理は「LIFEの入力項目」を参照してください。
移行後の提出確認
介護情報基盤との関係
介護情報基盤は介護保険情報を関係者間で共有する基盤であり、科学的介護推進体制加算を自動で算定できるサービスではありません。LIFEの提出・加算算定はLIFE関連通知に従い、介護情報基盤の利用準備は別途ポータルの案内に従います。両者の違いはLIFE・科学的介護とはで確認できます。
算定前に「対象・提出・記録」を一枚にする
科学的介護推進体制加算は、加算名だけで判断せず、対象サービス、算定区分、提出対象者、LIFEへの提出期限、フィードバック活用の記録を一体で確認します。単位数や要件が改定される可能性があるため、算定月の介護報酬資料と国保中央会の提出案内を根拠として保存し、請求担当とLIFE担当が同じ確認票を使います。
| 確認項目 | 実務で残す記録 |
|---|---|
| 対象・区分 | サービス種別、加算(Ⅰ)(Ⅱ)、対象者一覧 |
| 提出 | 評価日、提出日、受付結果、修正履歴 |
| 活用 | フィードバックの確認者、会議日、計画への反映 |
まとめ
単位数より先に「提出・活用・届出」を揃える
科学的介護推進体制加算は、LIFEへのデータ提出と、その情報をサービス提供に活用する体制を評価する加算です。対象サービスと区分を確定し、利用者ごとの提出月、翌月10日の期限、必須項目、体制届出を一つの管理表で確認してください。
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