介護事業所の担当者にとって重要なのは、介護情報基盤で使う「介護保険資格確認等WEBサービス」と、医療保険の「オンライン資格確認」は同じサービスではないと理解することです。介護事業所は、対象市町村の開始状況、利用中の介護ソフトの対応、端末・証明書・権限の準備を確認します。本文の医療機関向けの説明は、主治医意見書などの連携先を理解するための補足です。
この記事の結論
- 介護WEBサービスと医療保険のオンライン資格確認は、対象制度・情報・利用目的が異なる
- 介護事業所は介護WEBサービスで介護保険証等情報や要介護認定情報等を確認する
- 医療機関は主治医意見書・請求書の電送と、対象となる介護情報の閲覧に対応する
- 既存の電子カルテ・文書作成ソフトが対応する場合と、介護WEBサービスを使う場合で準備が異なる
- 利用開始には、市町村の接続開始、端末、証明書、事業所認証、ユーザー設定などの確認が必要
介護事業所が先に確認すること
まず、「自事業所が使うのは介護WEBサービスのどの機能か」「対象市町村は接続を開始しているか」「介護ソフト・端末・証明書の追加対応が必要か」を確認してください。医療機関のオンライン資格確認と同じ準備だと思い込まないことが重要です。
3つの用語の違い
名称が似ているため、まず全体基盤、介護分野の利用画面、医療保険の既存システムを分けます。
| 用語 | 主な役割 | 主な利用者 | 主な情報 |
|---|---|---|---|
| 介護情報基盤 | 介護情報を自治体・利用者・介護事業所・医療機関等で共有する全体基盤 | 自治体、介護事業所、医療機関、利用者 | 介護保険証等、認定、LIFE、ケアプラン、主治医意見書等 |
| 介護保険資格確認等WEBサービス | 介護情報の閲覧、主治医意見書の作成・送信等に使うWebサービス | 介護事業所、医療機関 | 介護保険資格、要介護認定、対象となる介護情報等 |
| 医療保険のオンライン資格確認 | 医療保険の資格情報をオンラインで確認する仕組み | 医療機関・薬局等 | 健康保険の資格情報等 |
「既存端末を使える」と「追加対応が不要」は別です
医療機関向け公式資料では、文書作成ソフトや電子カルテが介護情報基盤への情報連携に対応している場合、オンライン資格確認端末経由で主治医意見書を電送する流れが示されています。ただし、介護情報基盤用のソフト対応・証明書・設定確認は別途必要です。
介護事業所の業務はどう変わるか
介護事業所は、介護WEBサービスを通じて介護保険被保険者証等情報や要介護認定情報等をオンラインで確認できるようになります。紙の介護保険証、負担割合証、認定関係書類を見て転記・照合する業務を減らしやすくなります。
| 業務 | これまで | 介護情報基盤活用後 |
|---|---|---|
| 資格確認 | 紙の証書を預かる・写しを保管・転記 | 介護WEBサービスで対象情報を確認 |
| 更新確認 | 新しい証書の提示依頼、未回収の連絡 | 市町村側の更新後、対象情報をオンラインで確認 |
| 認定情報 | 窓口・郵送・電話で確認 | 提供対象となる認定情報等をオンラインで確認 |
| 記録・請求 | 紙から介護ソフトへ再入力 | 閲覧・連携結果を確認し、対応ソフトへ反映 |
オンラインで見られるようになっても、別人・古い情報・対象期間の確認は必要です。また、市町村が介護情報基盤との接続を開始していない場合は利用できる情報が限られるため、対応状況マップを確認します。
医療機関の業務はどう変わるか
医療機関では、主治医意見書と作成料請求書を紙で印刷・郵送する業務を電子化できます。公式FAQでは、市町村等から作成依頼のある主治医意見書を、文書作成ソフト、電子カルテ、または介護WEBサービスで作成後に電送でき、請求事務も電送できると案内しています。
医療機関側には大きく2つの導入経路があります。
| 導入経路 | 主な対応 | 確認先 |
|---|---|---|
| 既存の文書作成ソフト・電子カルテが対応 | ベンダーの連携機能を適用し、必要な接続・電子署名・試験を行う | 製品ベンダー、公式技術資料 |
| 既存システムが未対応 | 介護WEBサービスで主治医意見書を作成・送信するための端末・証明書・設定を行う | 介護情報基盤ポータル、導入支援事業者 |

依頼元市町村の接続開始が前提です
医療機関側の準備が完了しても、主治医意見書の作成依頼元となる市町村が介護情報基盤との連携を開始していなければ、予定する電送業務を開始できない場合があります。
主治医意見書電送の流れ
市町村と医療機関の対応状況を確認
依頼元市町村の開始状況と、医療機関が使う導入経路を確認します。
ソフト・端末・証明書を準備
電子カルテ等の対応、オンライン資格確認端末経由の要件、介護WEBサービス用端末・証明書を確認します。
事業所認証・ユーザー設定を行う
利用者を登録し、作成・送信・確認に必要な権限だけを付与します。
主治医意見書を作成・確認する
対象者、依頼元、記載内容、電子署名等の要件を確認します。
電送・受付結果を確認する
送信操作だけで完了とせず、受付・エラー・差戻しと請求処理を確認します。
カードリーダーは共通で使えるのか
「医療機関に顔認証付きカードリーダーがあるから、介護情報基盤も準備完了」とは限りません。医療機関で主治医意見書を電送する方法と、介護情報を閲覧する方法では準備が異なり、介護WEBサービスを使う場合は介護保険証明書または介護DX証明書、事業所認証、ユーザー設定などを確認します。
介護事業所向け公式FAQでは、カードリーダーの導入は一律必須ではないと案内されています。利用する読取方法、端末、アプリ、現場の訪問・受付形態から判断します。詳細は介護情報基盤でカードリーダーは必要?で確認してください。
介護事業所・医療機関の準備チェックリスト
導入前に確認する項目
利用者への説明とカード読取の切り分けは、介護情報基盤の利用者同意を参照してください。
よくある質問
介護WEBサービスは医療保険のオンライン資格確認ですか?
同じではありません。介護WEBサービスは介護保険資格や介護情報等を扱い、医療保険のオンライン資格確認は健康保険の資格情報等を扱います。
医療機関の既存端末をそのまま使えますか?
利用方法とシステム対応によります。電子カルテ等が介護情報基盤連携に対応する場合もありますが、介護情報基盤用の証明書・設定・ベンダー対応を確認してください。
介護老人保健施設・介護医療院も主治医意見書を電送できますか?
公式FAQでは、主治医意見書を作成する介護老人保健施設・介護医療院は介護WEBサービスで電送可能と案内されています。開始条件と準備は最新資料で確認してください。
全国で同時に使えますか?
市町村の標準化対応・接続開始に応じて順次利用可能になります。対象市町村の対応状況をポータルで確認します。
共通点と別管理を現場で切り分ける
介護情報基盤とオンライン資格確認は、医療・介護の情報連携をデジタル化する点では共通しますが、制度の対象者、確認する情報、利用する機関、申請・端末要件は同じではありません。カードリーダーが使えるかだけで、両方の手続きが完了すると判断しないでください。
医療機関と介護事業所が連携する場合は、どの機関がどの画面で情報を確認し、本人へ何を説明するかを業務フローで書きます。主治医意見書の電送など、別制度の手続きを介護情報基盤の機能と混同しないよう、根拠となる公式ページを行ごとに記録します。
| 確認軸 | 介護情報基盤 | オンライン資格確認 |
|---|---|---|
| 主な利用者 | 介護保険の関係機関 | 医療機関等の資格確認担当 |
| 準備 | 対象事業所、証明書、ソフト、同意 | 医療機関側の端末・資格確認環境 |
| 最終確認 | 介護情報基盤の公式案内 | オンライン資格確認の公式案内 |
まとめ
「オンライン資格確認」という呼び方だけで同じ仕組みと判断しない
介護情報基盤、介護WEBサービス、医療保険のオンライン資格確認は関係しますが、役割と準備は異なります。介護事業所は介護情報の確認、医療機関は主治医意見書電送と介護情報閲覧の対象業務を分け、市町村・ソフト・端末・証明書・権限の順に確認してください。

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