現行のケアプランデータ連携は、介護ソフトが標準仕様に沿ったファイルを出力し、クライアントアプリで送受信し、相手側の介護ソフトへ取り込む方式です。2026年5月に公開された暫定API仕様は、介護保険資格確認等WEBサービスとの将来連携に関するものであり、現行クライアントの代わりに誰でも使える一般公開APIと捉えないことが重要です。
この記事の結論
- 現行運用の中心は標準仕様V4に沿ったファイル連携
- D1〜D7は扱う帳票・データの区分を表し、ソフトごとに対応範囲が異なる
- ファイルは手作業で編集せず、介護ソフトから出力・取込する
- 対応可否は「V4対応」だけでなく対象サービス、帳票、出力・取込の両方向で確認する
- 暫定API仕様は将来の介護情報基盤連携として現行仕様と分けて管理する
現行のデータ連携方式
介護ソフトから標準ファイルを出力
ケアプラン、利用票、提供票、予定・実績などを、ソフトが対応する標準仕様で出力します。
クライアントアプリで送信
送信先事業所と対象データを確認し、ケアプランデータ連携システムを通じて送ります。
受信側が介護ソフトへ取り込む
受信ファイルを対応ソフトへ取り込み、利用者、対象月、予定・実績を照合します。
CSVは人が編集するための運用ファイルではない
見た目がCSVでも、項目順、文字コード、桁数、必須項目、ファイル名、複数ファイルの組み合わせが決められています。表計算ソフトでの上書きは避け、介護ソフトで生成・検証します。
標準仕様V4とD1〜D7
国民健康保険中央会は、2025年4月30日に標準仕様V4に対応したクライアントアプリをリリースしています。V4対応の有無に加え、D1〜D7のうち自事業所が必要とする帳票を、利用中の介護ソフトが出力・取込できるかを確認します。
| 確認軸 | 確認内容 | 確認相手 |
|---|---|---|
| 標準仕様版 | V4対応、必要な更新プログラム、移行時期 | 介護ソフト会社 |
| 対象サービス | 居宅介護支援、介護予防、訪問系などの対応範囲 | 介護ソフト会社 |
| 対象データ | 必要なD1〜D7、予定・実績、帳票単位 | 介護ソフト会社 |
| 方向 | 出力のみ、取込のみ、双方向のどこまで対応するか | 介護ソフト会社 |
| ベンダ試験 | V4ベンダ試験結果と対象製品・版 | 国保中央会資料・ソフト会社 |

「V4対応」だけで全業務対応とは限らない
同じ製品でも、サービス種別、契約プラン、機能、帳票、出力・取込の方向によって対応が異なる場合があります。製品名だけで判断せず、実際に使う業務フローを提示して確認します。
ファイル連携で起きやすい不整合
送信前の技術確認
2026年公開の暫定API仕様との違い
厚生労働省は2026年5月、介護保険資格確認等WEBサービスとの連携におけるAPI仕様書の暫定版を公開しました。介護ソフトから同WEBサービスを利用し、資格情報や介護情報を扱えるようにするためのベンダ向け検討資料です。
| 項目 | 現行のケアプランデータ連携 | 2026年の暫定API |
|---|---|---|
| 位置づけ | 現在利用されるクライアント型の連携 | 介護情報基盤との将来連携に向けた暫定仕様 |
| 主な方式 | 標準ファイルの出力・送受信・取込 | 介護ソフトとWEBサービス間のAPI連携 |
| 主な対象者 | 介護事業所と対応ソフト利用者 | 介護ソフトベンダ・システム担当者 |
| 現時点の扱い | 公式手順に沿って利用 | 暫定版として変更を追跡 |
今すぐ現行クライアントをAPIへ置き換える話ではない
統合時期や移行手順は今後の公式通知で具体化されます。事業所は現行運用を止めず、ソフト会社のV4対応と将来の介護情報基盤対応を別々に確認します。
介護ソフト会社・開発会社が確認すること
仕様管理チェックリスト
仕様改版時に確認する差分
標準仕様の版が変わった場合は、「新しい版に対応」と表示されたことだけで本番更新せず、送信側・受信側・クライアントの組み合わせを確認します。片方だけ先に更新すると、出力はできても取込で不整合が起きる可能性があります。
| 差分 | 確認する内容 | 試験 |
|---|---|---|
| 対象帳票 | 追加・廃止・項目変更の有無 | 帳票ごとの出力・取込 |
| 必須項目 | 未入力時の扱い、桁数、コード | 正常値・空欄・境界値 |
| ファイル構成 | ファイル名、組み合わせ、文字コード | 一式送信と不足ファイルのエラー |
| 互換性 | 旧版との送受信可否、移行期間 | 双方の版を組み合わせて確認 |
| 運用 | 更新日、停止時間、利用者案内 | 本番前の少数事業所テスト |
仕様書を実装・運用の確認票にする
データ仕様を読むときは、項目名だけでなく、必須・任意、桁数、コード値、文字コード、送受信方向、訂正・取消の扱いまで確認します。仕様改版時は変更箇所を介護ソフト会社と共有し、既存データの再出力、受入試験、利用者への影響、切替日を記録します。
| 差分 | 実務への影響 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 必須項目・コード値 | 取込エラー、データの欠落 | 代表データで出力・取込試験 |
| ファイル形式・文字コード | 文字化け、列ずれ、送信不可 | 仕様どおりのサンプルを比較 |
| 訂正・取消のルール | 重複・古い情報の残存 | 再送・取消の手順を確認 |
まとめ
現行V4と将来APIを混同しない
事業所は必要なD1〜D7、対象サービス、出力・取込、製品版を確認します。ベンダは標準仕様と試験結果を基準に実装し、2026年の暫定APIは別の変更管理対象として追跡します。製品別の確認は対応ソフト一覧、将来像は介護情報基盤との統合、エラー対応は操作ガイドで解説しています。
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