介護情報基盤そのものの利用に、利用料などの直接費用は発生しません。ただし、事業所の環境によっては端末、カードリーダー、電子証明書の設定、介護ソフト改修、接続支援、職員教育などの費用が発生します。予算は「無料か有料か」ではなく、必要な準備を項目別に分けて見積もることが重要です。
費用の結論
- 介護情報基盤の直接の利用料は無料
- 既存端末・証明書を流用できるかで初期費用が変わる
- カードリーダーや接続サポートには2026年度の助成制度がある
- パソコン・タブレット・スマートフォンは、介護情報基盤のカードリーダー等助成では対象外
- 介護ソフト改修・保守費は製品と契約ごとにベンダー確認が必要
介護情報基盤の利用料はいくら?
介護情報基盤ポータルの公式FAQでは、介護事業所等が介護情報基盤を利用するにあたり、利用料などの直接費用は発生しないと案内されています。
一方、無料なのは「基盤の利用料」です。実際に事業所で利用するには、インターネット接続端末、電子証明書、介護保険資格確認等WEBサービス、必要に応じてマイナンバーカード読取機器などを整える必要があります。現在の設備・契約をそのまま使えるかによって、事業所の負担額は変わります。
予算化の考え方
「利用料0円」だけで予算を0円にせず、端末・読取機器・証明書設定・ソフト・支援・運用の6項目に分けて確認します。
費用を6項目に分けて考える
| 費用項目 | 発生する主な場面 | 確認先 |
|---|---|---|
| 制度・サービス利用料 | 介護情報基盤の利用 | 直接費用なし(公式FAQ) |
| 端末 | 対応OSのPC・タブレット・スマートフォンがない | 公式推奨環境、社内端末台帳 |
| カードリーダー | マイナンバーカードを読み取る運用を行う | 公式対応機器、販売店、助成要綱 |
| 電子証明書・設定 | 証明書未取得、端末追加、外部支援を利用 | 電子請求受付システム、導入支援事業者 |
| 介護ソフト改修・連携 | アップデート、オプション、個別連携が必要 | 利用中の介護ソフトベンダー |
| 運用・教育 | マニュアル作成、職員研修、問い合わせ対応 | 事業所内の工数・外部支援見積もり |
端末費用
既存の業務端末が公式の動作保証環境を満たし、セキュリティ上も継続利用できる場合は、新規購入を抑えられます。OSだけでなく、ブラウザ、ネットワーク、端末の持ち出し有無、利用場所まで確認してください。
カードリーダー費用
カードリーダーは全事業所に一律必須ではありません。マイナンバーカードを読み取る運用を行う場合に、端末・OS・接続方法と適合する機器を選びます。必要性と対応機種は「介護情報基盤のカードリーダー」で確認できます。市場価格は機種や購入先で変わるため、未確認の平均額ではなく正式な見積書で判断します。
電子証明書・設定支援費用
2026年5月版の公式手順書では、介護DX証明書の申請・発行に費用は発生しないと案内されています。既存の介護保険証明書をインストールする場合も、インストールに伴う証明書発行手数料は不要とされています。証明書の発行履歴に応じた選び方と設定手順も確認してください。ただし、導入支援事業者へ端末設定を依頼する場合は支援費用が発生します。
介護ソフト改修・連携費用
「介護情報基盤対応」という製品表示だけでは費用を判断できません。標準機能か有料オプションか、バージョンアップ費用、データ連携範囲、初期設定、保守対応を、利用中の契約単位で確認します。
2026年度の助成制度
国民健康保険中央会が公開する「令和8年度における介護情報基盤の活用のための介護事業所等への支援」では、カードリーダー購入経費と、介護情報基盤との接続サポート等経費が助成対象です。消費税分も対象に含まれ、下表の上限額はカードリーダーと接続支援を合算した額です。
介護情報基盤への接続支援とケアプランデータ連携システムへの接続支援を一緒に受ける場合は、連携システム側の接続支援も対象となり得ます。ただし、本記事は介護情報基盤固有の費用・助成を扱います。ケアプランデータ連携の都道府県・市区町村制度、対象経費、申請先は「ケアプランデータ連携の補助金・助成金」で確認してください。
| 介護サービス区分 | 助成限度台数 | 助成限度額 |
|---|---|---|
| 訪問・通所・短期滞在系 | 3台まで | 6.4万円まで |
| 居住・入所系 | 2台まで | 5.5万円まで |
| その他 | 1台まで | 4.2万円まで |
※2026年7月16日時点の公式概要。複数サービスを提供する事業所の限度額、対象サービスコード、申請条件は最新の助成金手引き・交付要綱で確認してください。
令和8年度の申請受付期間は、公式概要で2026年5月7日から2027年3月12日までの予定とされています。期限内の申請が自動的な交付を保証するわけではないため、購入・発注の時期、必要書類、対象経費を交付要綱で確認してから進めます。

パソコン・タブレット・スマートフォンはこの助成の対象外
公式の導入準備作業手引きでは、PC・タブレット・スマートフォンはカードリーダー等の助成金申請対象外とされています。介護ソフト等とあわせた導入は、都道府県が実施する介護テクノロジー導入支援事業の対象になり得るため、別制度として確認してください。
事業所の状況別に費用を見積もる
| 状況 | 主な追加費用 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| 既存環境を使える | 職員設定・研修の工数 | 対応OS、証明書の発行履歴、端末の利用可否 |
| 読取機器を追加する | カードリーダー、接続設定 | 利用場面、台数、公式対応機器、助成条件 |
| 端末を更新する | PC・タブレット等、移行・設定 | 介護WEBサービスとマイナ資格確認アプリ双方の動作環境 |
| 外部支援を使う | 接続支援、操作説明、保守 | 作業範囲、台数、出張費、再設定費、助成対象 |
| ソフト改修が必要 | アップデート、オプション、開発 | 必要機能、対応時期、初期費用と継続費用 |
金額を置く前に、どの利用機能を、どの職員が、何台の端末で、どの拠点から使うかを決めます。要件が曖昧なまま機器を購入すると、動作環境を満たさない、台数が余る、必要な場所で使えないといった手戻りが起きます。
ベンダー見積もりで確認する項目
見積もり確認チェックリスト
よくある質問
介護情報基盤は月額無料ですか?
介護情報基盤の利用に直接の利用料は発生しません。ただし、端末、カードリーダー、ソフト、設定支援などの周辺費用は別途発生する場合があります。
電子証明書は有料ですか?
2026年5月版の公式手順書では、介護DX証明書の申請・発行に費用は発生しないとされています。既存証明書の状況や外部の設定支援費は分けて確認してください。
助成限度額と同じ金額が必ず交付されますか?
限度額は交付額の上限です。対象経費、申請内容、審査、必要書類などの条件があるため、最新の交付要綱と助成金申請手引きを確認してください。
見積書を比較できる形に整える
介護情報基盤の費用は、利用料だけを見て判断すると不足が出ます。端末、カードリーダー、電子証明書、通信、初期設定、ソフト更新、研修、保守を分け、導入時と継続時の費用を別の行にした見積書を作ります。
助成制度を使う場合は、対象経費・申請時期・交付決定前の契約可否・実績報告の証憑を確認します。制度名が同じでも自治体や年度で条件は変わるため、金額を記事の例から自動的に当てはめず、申請窓口の公募要領を根拠に最終判断してください。
| 費用の層 | 見積書に分ける項目 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 初期 | 機器、設定、接続、研修 | 交付決定前の発注を避けられるか |
| 運用 | 利用料、通信、保守、更新 | 年度ごとの継続費を予算化できるか |
| 変更・終了 | 追加端末、移行、解約、廃棄 | 契約終了時のデータと費用を確認したか |
まとめ
介護情報基盤の直接利用料は無料ですが、事業所側の準備費用まで自動的に0円になるわけではありません。既存環境を確認し、必要な機器・設定・ソフト・運用だけを見積もり、助成対象と対象外を分けて予算化しましょう。
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