介護情報基盤は、介護保険資格、要介護認定、主治医意見書、ケアプランなどの情報を電子的に共有するための仕組みです。2026年4月1日以降、準備が完了した市町村から順次利用が始まっています。
この記事の結論
- 介護情報基盤は、介護情報を関係者間で電子的に共有する国の基盤
- 2026年4月1日以降、準備が完了した市町村から順次開始
- 国は2028年4月1日までに全市町村での活用開始を目指している
- 全介護事業所が同じ日から一律に利用する仕組みではなく、開始時期は市町村ごとに異なる
- 利用料そのものは発生しないが、端末やカードリーダーなどの準備費用は事業所負担となる場合がある
- まずは所在地の対応状況と、現在利用している介護ソフトの対応予定を確認する
ただし、全国一斉に同じ日に切り替わるわけではありません。介護事業所は、所在地の市町村の開始時期を確認しながら、利用端末、証明書、マイナ資格確認アプリ、必要に応じたカードリーダーなどを準備する必要があります。実務で確認する項目は「介護情報基盤の導入準備チェックリスト」に時系列でまとめています。
2026年7月16日時点の公式情報では、すべての介護事業所に同じ日から一律の利用を求める案内は確認できません。一方、本人確認や情報閲覧に介護保険資格確認等WEBサービスを使う事業所は、所在地の開始時期を待つだけでなく、端末・アカウント・証明書・運用ルールを先に整理しておく必要があります。
介護情報基盤とは
介護情報基盤とは、自治体、介護事業所、医療機関、利用者などが、介護に関する情報を電子的に閲覧・共有できるようにする情報基盤です。
介護保険法の改正を受けて整備が進められており、厚生労働省は、自治体の介護保険システムと介護情報基盤を連携させることで、紙や電話を中心とした情報確認をデジタル化する方針を示しています。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 利用する主な関係者 | 市町村、介護事業所、医療機関、利用者 |
| 共有対象となる主な情報 | 要介護認定情報、LIFE情報、ケアプラン、住宅改修費・福祉用具購入費の利用情報など |
| 事業所側の利用窓口 | 介護保険資格確認等WEBサービス |
| 情報・申請窓口 | 介護情報基盤ポータル |
| 開始時期 | 2026年4月1日以降、準備が完了した市町村から順次 |
最新の制度資料や市町村の対応状況は、厚生労働省「介護情報基盤について」と介護情報基盤ポータルで確認できます。ポータルでできること、ログインと初回利用登録の進め方は「介護情報基盤ポータルとは」で詳しく解説しています。
介護情報基盤はいつから始まる?
介護情報基盤は、2026年4月1日以降、介護情報基盤との連携を含む標準化対応が完了した市町村から順次利用が始まります。厚生労働省は、2028年4月1日までに、全市町村で介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行を含めた対応を完了し、活用を開始することを目指しています。
全国一斉切り替えではありません
開始時期は市町村ごとに異なります。事業所は「2026年4月になったからすぐ使える」と判断せず、介護情報基盤ポータルの「市町村(保険者)の対応状況」を確認してください。
介護情報基盤は義務化される?
2026年7月16日時点の厚生労働省と介護情報基盤ポータルの説明では、市町村の標準化対応と介護情報基盤の全国展開スケジュールは示されていますが、すべての介護事業所が同じ日から介護保険資格確認等WEBサービスを利用しなければならない、という一律の案内は確認できません。
「市町村側の基盤整備」「介護事業所が介護WEBサービスを利用するための準備」「カードリーダーの導入要否」は分けて考える必要があります。特にカードリーダーは、公式FAQで介護事業所への導入が一律必須ではないと説明されています。
「義務ではない」だけで準備を止めない
利用する機能、自治体からの案内、介護ソフトの対応状況によって必要な作業は変わります。所在地の開始状況と公式手引きを確認し、自事業所で使う業務から準備範囲を決めてください。
介護情報基盤で事業所業務はどう変わる?
必要な情報をオンラインで確認しやすくなる
ケアマネジャーや介護事業所の職員が、介護保険資格や要介護認定、ケアプラン作成に必要な情報などを電子的に確認できるようになります。
利用者・自治体との確認負担を減らせる
従来は利用者や家族に書類を持参してもらったり、自治体へ電話で問い合わせたりしていた確認業務の一部を、デジタル上で行えるようになることが期待されています。
ケアのための時間を確保しやすくなる
情報収集や転記の負担が減れば、職員が利用者と向き合う時間を確保しやすくなります。ただし、導入しただけで自動的に効率化されるわけではありません。閲覧権限、端末管理、職員教育、既存業務との役割分担もあわせて決める必要があります。
介護事業所で必要になる準備
介護情報基盤ポータルのFAQでは、介護事業所の利用環境として、インターネットに接続できるPCまたはモバイル端末、介護保険資格確認等WEBサービスの設定、証明書のインストール、マイナ資格確認アプリの設定、マイナンバーカード読取機器などが案内されています。
開始時期を確認
所在地の市町村がいつ介護情報基盤の利用を開始するか、ポータルの対応状況で確認します。
担当者と対象業務を決める
資格確認、認定情報の確認、ケアプラン連携など、誰がどの業務で利用するかを整理します。
端末とネットワークを確認
利用予定端末、インターネット接続、端末の更新状況、画面を第三者に見られない配置などを確認します。
証明書・アプリを設定
介護保険資格確認等WEBサービスに必要な証明書や、マイナ資格確認アプリを設定します。証明書の選び方は「介護情報基盤の電子証明書」も確認してください。
ソフトベンダーへ確認
現在利用している介護ソフトの対応時期、追加費用、データ連携範囲、必要なアップデートを確認します。
運用ルールを整備
アカウント管理、ログイン・ログオフ、閲覧権限、端末持ち出し、インシデント発生時の連絡先を決めます。
情報安全管理については、厚生労働省が公開している「介護事業所における情報安全管理の手引き」も確認してください。
本人確認と利用者の同意も運用に組み込む
介護情報基盤ポータルの「導入準備作業手引き」では、運用に本人確認や同意取得といった利用者の協力が必要になるため、利用者向けの周知を行うよう案内しています。
- どの場面で本人確認・同意取得を行うか
- 誰が説明し、同意の記録をどこに残すか
- マイナンバーカードの顔写真と本人を確認する担当者
- 利用者がマイナンバーカードを使わない場合の確認手順
- 問い合わせや同意撤回の相談先
具体的な説明方法や記録方法は、利用機能と最新の公式資料に合わせて決めます。施設内の掲示、リーフレット、職員向け手順書を用意し、職員ごとに説明が変わらないようにしてください。
利用料と助成金
介護情報基盤ポータルのFAQによると、介護情報基盤の利用そのものに直接の利用料は発生しません。一方、利用端末やカードリーダーなどは、事業所側で購入が必要になる場合があります。費用項目と助成上限は「介護情報基盤の費用はいくら?」で整理しています。
介護事業所・医療機関向けには、カードリーダー購入費、技術支援費、主治医意見書作成システムの改修費などに関する助成制度が案内されています。対象経費、申請期限、交付条件は年度や申請内容によって変わる可能性があるため、必ず介護情報基盤ポータルの最新情報を確認してください。
カードリーダーは必須?
介護情報基盤ポータルのFAQでは、カードリーダーの導入自体は介護事業所に必須とされていないと説明されています。必要性の判断と対応機種の確認方法は「介護情報基盤のカードリーダーは必要?」で解説しています。
ただし、利用者のマイナンバーカードを読み取って介護保険資格確認等WEBサービスを利用する場合、入力ミスを減らし、確認を容易にするメリットがあります。必要性は、事業所で利用する機能と業務フローを確認したうえで判断しましょう。
介護ソフト・システムベンダーに確認したい項目
- 介護情報基盤への対応予定時期
- 対応する機能と、対応しない機能
- ソフト更新・追加オプションの費用
- 証明書やアプリ設定の支援範囲
- ケアプランデータ連携システムとの関係
- 既存データの移行・バックアップ方法
- 障害や連携エラーが発生した場合の問い合わせ先
- 職員向けマニュアルや研修の有無
「介護情報基盤対応」と書かれていても、対応範囲は製品ごとに異なる可能性があります。製品名だけで判断せず、自事業所で利用したい業務が含まれるか確認することが重要です。
ケアプランデータ連携システムとの違い
介護情報基盤とケアプランデータ連携システムは、どちらも介護分野の情報連携に関係しますが、同じものではありません。
| 仕組み | 主な役割 | 事業所側の利用イメージ |
|---|---|---|
| 介護情報基盤 | 認定情報、LIFE情報、ケアプランなどの介護情報を関係者間で共有する基盤 | 介護保険資格確認等WEBサービスを通じて情報を閲覧・連携する |
| ケアプランデータ連携システム | 介護事業所間でケアプラン関連データを電子的に送受信する仕組み | 対応介護ソフト等を使い、ケアプランデータを送受信する |
厚生労働省は、ケアプランデータ連携システムを介護保険資格確認等WEBサービスへ統合する方針を示しています。現時点では、現在の利用方法と今後の統合後の運用を混同せず、厚生労働省、介護情報基盤ポータル、ケアプランデータ連携システム公式の最新案内を確認してください。
よくある質問
介護情報基盤はすべての事業所で同時に始まりますか?
いいえ。2026年4月1日以降、準備が完了した市町村から順次始まります。所在地の市町村の対応状況を確認してください。
介護情報基盤の利用は介護事業所に義務付けられていますか?
2026年7月16日時点の公式情報では、すべての介護事業所が同じ日から一律に利用するという案内は確認できません。所在地の開始状況、利用する機能、自治体・国保中央会からの最新案内を確認してください。
介護情報基盤の利用料はかかりますか?
介護情報基盤の利用そのものに直接の利用料は発生しません。ただし、端末やカードリーダーなどの購入費用が必要になる場合があります。
カードリーダーは必ず購入しなければなりませんか?
ポータルのFAQでは、導入自体は必須ではないとされています。ただし、マイナンバーカードを使った確認を容易にするため、利用する機能に応じて導入を検討します。
利用者への説明や同意取得は必要ですか?
公式の導入準備作業手引きでは、本人確認や同意取得に利用者の協力が必要になるため、事前周知を行うよう案内されています。利用機能に合わせて、説明担当、記録方法、問い合わせ先を決めてください。
ケアプランデータ連携システムとは別に準備が必要ですか?
現時点では役割と利用方法が異なります。厚生労働省は介護WEBサービスへの統合方針を示しているため、利用中の介護ソフトと両公式サイトの最新案内を確認してください。
事業所では最初に何を確認すればよいですか?
市町村の開始時期、現在利用している介護ソフトの対応予定、利用する業務、端末・ネットワーク環境の順に確認すると整理しやすくなります。
導入判断を事業所の行動に落とす
介護情報基盤への対応は、制度の開始日を確認するだけでは終わりません。自事業所が対象となるサービス、利用する端末と証明書、既存の介護ソフトで必要な更新、利用者への説明方法を一つの準備表にまとめ、担当者と確認期限を決めます。
公式案内で確定している事項と、今後の通知で変わり得る事項を分けて記録してください。開始時期や助成条件が更新された場合も、どの資料を根拠に準備表を更新したか残すと、職員間の認識ずれを防げます。
公開前に自事業所で確認すること
まとめ
介護情報基盤は、要介護認定情報、LIFE情報、ケアプランなどを電子的に共有し、資格確認や情報収集の負担を軽減するための仕組みです。2026年4月1日以降、準備が完了した市町村から順次利用が始まり、2028年4月1日までの全国展開が目指されています。
事業所側では、開始時期を待つだけではなく、担当者、対象業務、端末、証明書、アプリ、カードリーダー、既存ソフトの対応状況、セキュリティルールを早めに整理しておくことが重要です。

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